6月1日、シンガポール国立大学日本語短期研修生のみなさんの歓迎会を行いました
6月1日から20日まで、シンガポール国立大学(National University of Singapore)の日本語短期研修生13名が、リベラルアーツ学部で行われる日本語プログラムを受講するため玉川大学を訪問しています。国際交流の一環として、リベラルアーツ学部では10年以上にわたり、海外の大学生の受け入れを積極的に行っています。シンガポール国立大学の短期研修生の受け入れもその一つで、6年も続く交流となっています。
研修期間中は、日本語授業、リベラルアーツ学部の授業聴講、プロジェクトワークやフィールドリサーチのほか、書道や茶道、そして日本食体験など、様々な研修が行われます。また、日本の文化、歴史に触れる鎌倉ツアーなども計画され、研修終盤には、研修の集大成となる「日本語発表会」を開催します。滞在期間中は、充実した研修が送れるようリベラルアーツ学部の学生達が日常生活のサポートや日本語学習のお手伝いなどで協力しています。6月1日の歓迎会では、大学3年生から4月に入学した1年生まで約40名の学生が、企画・準備を積み重ねてきました。当日、会場となった「Restaurant 朔風」には、色とりどりの風船や花紙でつくったポンポン、折り紙の輪飾りで装飾され、歓迎会の演出が整えられました。13名の研修生が到着すると、盛大な拍手で出迎えられ、司会役の学生の進行で幕を開けました。
はじめに八木橋リベラルアーツ学部長から、「私達一同、みなさんを歓迎します。短期研修生のみなさんは、リベラルアーツ学部の学生と深いつながりを築き、日本語と日本文化を吸収して欲しいと考えています。同時にリベラルアーツ学部の学生も、シンガポールの学生のみなさんからいろいろ吸収して宝物を手にしてください。お互いにとって、素晴らしい交流の場と実りある3週間を過ごしていきましょう」と歓迎の言葉が送られました。続いて短期研修生の自己紹介となり、日本語で「自分の名前」や「学年」、本国で「専攻している分野」などを説明していきます。なかには、自分のニックネームを披露する姿も見られました。研修生が学んでいる専門分野には、社会学、歴史学、物理学や生命科学、土木工学など文系・理系と多岐に渡り、リベラルアーツ学部で学ぶ学生にとっても興味関心の幅が広がっていきます。そして、いよいよ乾杯です。学生達は、飲み物を手にしていない研修生に声を掛け、手際よく渡していきます。照屋先生から「みなさんようこそいらっしゃいました。3週間の研修が実り多いものになりますように。たくさん日本語を話して、たくさん質問をして、たくさん日本の文化を学んで帰ってください。リベラルアーツ学部の学生たちも、シンガポールのお話をたくさん聞いてください。健康で楽しい3週間になりますように」というメッセージに続き、日本語での「かんぱい」という発声が響きました。
続いてブッフェスタイルでの懇談の時間となりました。学生達は進んでお箸やお皿を手渡し、空いているテーブルへ研修生をエスコート、グループ全員で話をしたり、1対1で対話する姿も見られます。そこでは、「出身地の話」、「日本で訪れた場所」や「日本の気候の印象」、「好きな日本食」など、研修生にも分かりやすい日本語で対話が続きます。さらに、「日本語と英語ではどちらが難しいですか」とたずねたり、「シンガポールでは何語を話していますか」、「伝統的なシンガポールの料理は?」、そして、「日本のアニメの印象」まで、互いの文化にも焦点をあて一つ一つ理解を深めていました。リベラルアーツ学部の学生からは、「日本との違いを理解できた」、「シンガポールのことが詳しく分かった」と、印象を聞くことができました。学生は1か所に留まらずテーブルを転々と移動しながら、ほかの研修生とも話を進めていきます。なかには日本語で伝えづらい内容は、英語という共通語を使ってコミュニケーションしていました。
歓談のあとは、ゲームです。はじめに、「猛獣狩りゲーム」が行われました。2年生の学生4名が、プロジェクターを利用して、ルールを説明していきます。スクリーンに映った動物名の文字数と同じ人数のグループをつくり、自己紹介を行います。司会の学生は、猛獣狩りゲームの掛け声をワンフレーズずつリードしながら、参加者はそのフレーズに続いて反復して歌います。「猛獣狩りにいこうよ」、「猛獣なんて怖くない」、「槍だって持ってるし」、「鉄砲だって持ってるもん」と、みんなで歌った後、正面に動物が現れました。1回戦では「ライオン」が現れ、瞬時に4人のグループを作ります。グループ内では、自己紹介や趣味の話題が展開されていきます。続いて2回戦では、小さい鹿のような「ディグディグ」という動物が現れました。今度は6文字、6人のグループです。周りを見渡しながら、1回戦とは違う人たちとグループとなります。いよいよ3回戦目、「アカビタイキツネザル」が登場。文字数が分かると、互いの顔を見合わせ10人のグループを組んでいきます。大人数でのグループ編成に盛り上がりは絶好調、研修生との交流は活発に続いていきます。
2つ目は、「伝言」ゲームです。猛獣狩りゲームで組まれた10人のグループで行われます。前の人が聞いたことを、次の人に伝え、最後に出題と同じ言葉が伝言されていれば、得点がもらえるというゲームです。シンプルですが、伝言時には相手に1回しか話すことができなかったり、一番最後は研修生が答えるというルールが決められています。グループごとに1列になって、伝言ゲームが始まりました。先頭の学生がお題を受け取り、小声で次の人に伝言していきます。最後までたどり着き、研修生がマイクに向かって答えていきます。1回戦の答えは、「玉川学園」でした。すべてのグループが正解できました。続いて、2回戦です。出題された言葉を次々に伝えていきます。ひそひそ話す声や大丈夫?と心配する声なども聞こえてきます。2回戦目は、「そうだ富士山へ行こう」が正解となりました。すこし単語が増えただけに、さすがに全グループが的中することはできませんでした。いよいよ3回戦目、先頭の人にお題が耳打ちされます。最後の研修生まで伝言が伝わると、「スカイツリーの長さは634メートル」「スカイツリーの高さは830メートル」と、似たような回答が続出します。正しい言葉は、「スカイツリーの長さは634メートルだ!」が正解です。日本語の正しい使い方だけでなく、「だ」という断定表現が入る少し難しい設問でした。3問中2問みごと正答した2チームが決勝へ進出、互いにじゃんけんで勝敗を決め、記念品が渡されました。このように参加者全員が楽しめるゲーム展開に、学生と研修生の距離はますます縮まっていきました。
楽しかったシンガポール国立大学日本語短期研修生との歓迎会も、いよいよ終わりの時間が近づきました。最後に全員での記念撮影です。はじめは、かしこまった面持ちの研修生達も意気投合し、リベラルアーツ学部の学生とも違和感がない表情が感じられました。
歓迎会の全体指揮を担当した3年生の一之瀬さんは、「およそ2週間前からリベラルアーツ学部の学生40名が、一丸となって準備してきました。自身も昨年の先輩たちの取り組みを見て、今年も研修生のために尽くしてみたいという気持ちから参加しています。猛獣ゲームは2年生が準備してくれました。シンガポールからの研修生にも楽しめる工夫した内容にとても感心しています」と歓迎会の感想を聞かせてくれました。
これからの3週間、充実した日本語研修を送り、リベラルアーツ学部の学生にとっても、海外の学生との交流で異文化理解を深め、自身の国際感覚を育む機会になることを期待しています。これからの研修の様子もレポートしていきます。ぜひご覧ください。