約3週間の研修の成果を披露。シンガポール国立大学の語学研修生が、日本語発表会でプレゼンテーションを行いました。
本年度も、約3週間の日程でシンガポール国立大学(NUS)の学生たちが日本語短期研修で玉川大学にやってきました。今年で6回目となるこのプログラムでは、毎回リベラルアーツ学部の学生たちがNUSの学生のサポート役を務め、交流を深めています。
6月6日(水)に来日し、日本語習得のための授業やプロジェクトワークなどに取り組んできたNUSの学生たち。こうした中、毎年実施されているのが日本語発表会です。これはNUSの学生たちが来日中にフィールドリサーチを行い、グループごとに設定したテーマを掘り下げていくというもの。最終的に日本語でプレゼンテーションを行います。NUSの学生たちの日本語習熟度は高く、日常会話で困ることは多くありませんが、より質の高いプレゼンテーションを行うために、発表会の前日にはリベラルアーツ学部の学生も練習に参加。言い回しや表現の細かな部分の修正を協力して行っていきました。
発表会当日である6月22日(金)、会場となった大学教育棟 2014のアカデミック・スクエアにNUSの学生とリベラルアーツ学部のサポート生が集合し、4つのグループに分かれて以下のような内容でプレゼンテーションを行いました。
NO FOOD NO LIFE
世界的に知られている寿司について、その歴史・寿司の種類など細かく調査。さらに、カレーやラーメンのようにオリジナルから独自の進化を遂げた日本食について発表していました。また日本とシンガポールがともに島国で、食についても近隣諸国から影響を受けていることや食習慣の違いなどについても着目し、取り上げていました。
日本のデザイン
海外の、特に若い世代から人気を集める日本のデザインですが、このグループは「街」「店」「商品」の3つの視点から考察していきました。居酒屋の店頭に並ぶ伝統的な提灯や、きれいに色が塗られたマンホールなど、さまざまなデザインに着目。そこには若い国であるシンガポールにはない、歴史と伝統が息づいているのではないかという風にまとめていました。
日本とシンガポールの景色の違い
日本とシンガポールの景観の違いに着目し、訪れた日本の地方都市や城、神社仏閣など、その多彩さを紹介しました。一方で美しい景観で知られるシンガポールですが、Kampongと呼ばれる集落が一つしか残されておらず、人口の増加から、都市化・高層ビル化が進んでおり、昔ながらの風景がないことについて言及しました。
日本とシンガポールの習慣の違い
同じアジア圏でありながら異なる、日本とシンガポールの習慣を「伝統的な服」「集団意識」「アルバイト習慣」の三点から考察を行いました。多民族国家であるシンガポールと日本の状況を比較しながら、国としての歴史の長さの違いが、日常的な習慣でも大きな違いを生んでいるのではないかとまとめていました。
どのグループのプレゼンテーションにも、リベラルアーツ学部の学生や教員から質問が寄せられ、それに対してNUSの学生たちが日本語で答えている様子が印象的でした。そしてサポート役として参加したリベラルアーツ学部の学生にとっても、自分たちが日頃目にしている日本の文化や風習が、海外の人にとっては新鮮に映るのだという、新たな視点を得る機会となったプレゼンテーションでした。
NUSの日本語短期研修は、玉川大学の学生にとっても学内にいながらにして異文化と触れ合うことができる、またとない機会となっています。