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たまがわ会議(TAMAGAWA CONFERENCE)が開催されました

2014.09.24

3日間のアクティビティを通して、新しい自分を発見しよう!

7月17日から19日までの3日間、9~12年生(中学3年生~高校3年生)が所属する玉川学園ラウンドスクエア実行委員会主催による国際会議形式の生徒会議、第2回「たまがわ会議(TAMAGAWA CONFERENCE)」が開かれました。 「ラウンドスクエア」とは、世界各国の私立校で構成される連盟で、現在28か国の97校が参加しています。日本でメンバーとなっているのは玉川学園のみで、2005年に正式に認定されました。ラウンドスクエアでは、IDEALS(Internationalism:国際理解、Democracy:民主主義の精神、Environment:環境問題に対する意識、Adventure:冒険心、Leadership:リーダーシップ、Service:奉仕の精神)と呼ばれる6つの教育の柱に基づいて活動しています。メインの活動となるのが、年1回開催される国際会議。各校から代表が集まり、IDEALSに関する講義を聴講し、討論を行ったり、奉仕活動やアドベンチャープログラムなどに参加します。

玉川学園内でも高等部生が中心となってラウンドスクエア実行委員会を設置し、”IDEALS”の6つの理念を、
International understanding(留学生との交流会)、Democracy(委員会内でのラウンドスクエアに関する意見交換)、Environment(労作)、Adventure(Tap:玉川アドベンチャープログラム)、Ledership(模擬国連)、Service(老人ホームでのボランティア)というように、玉川学園らしさを盛り込んで日々活動に取り組んでいます。その集大成が今回のたまがわ会議(TAMAGAWA CONFERENCE)で、ラウンドスクエア国際会議の玉川版といえるものなのです。
第2回目となる今年のたまがわ会議(TAMAGAWA CONFERENCE)のテーマは「“Break out of our shell~Do whatever you fear most~ ”(自らの殻を破ろう!~自分が一番怖いことにも挑戦しよう~」。使用言語は英語で、第二外国語に日本語が認められています。テーマに込められているのは、3日間のアクティビティで行われる「人との交流」を通して、自分という存在をより理解し、相手に理解をしてもらうためにも、自分だけの居心地のよいエリアである殻を破って一歩を踏み出し、新しい自分を見つけようというものです。

「学ぶって、こんなに楽しい!」――「GAKKO」プロジェクト

最終日の7月19日のたまがわ会議(TAMAGAWA CONFERENCE)の様子を紹介します。午前中は玉川会議で一番の注目プログラム、「GAKKO meets TAMAGAWA」。「GAKKO」とは、日本の高校を卒業後、現在アメリカのイェール大学で学んでいる古賀健太さんが「世界で活躍したい日本の高校生のために、世界一楽しいサマーキャンプを開きたい」と企画したプロジェクト。イェール大学やハーバード大学をはじめとする世界中のクリエイティブな学生によるさまざまなワークショップを通して、学ぶ楽しさを体験するものです。

今回来日したスタッフはイェール大学、ハーバード大学、トロント大学、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)、パリ政治学院などで学ぶ現役学生15名。玉川学園の卒業生も運営に携わっています。過去に玉川学園ラウンドスクエア実行委員会の委員長を務め、現在カナダ・トロント大学で学ぶ五十嵐淳哉さんは、国内の高校へ出向いて行うプロジェクト「GAKKO meets」を発案し、その記念すべき第1回目を玉川学園で行うことにしたのです。


赤いTシャツに身を包んだ「GAKKO」のスタッフが参加者を10名程度のグループに分け、英語でアクティビティを進行させていきます。興味深かったのは「Egg Drop」という、生卵を与えられた材料(新聞紙やストローなど)でプロテクターを作り、2メートルほどの高さから落下に耐えられるかを競うもの。各グループのメンバーはプロテクター作りを担う「maker」と、その優位性を発表する「marketer」に分かれ、30分間で知恵を絞り、工夫を凝らすのです。「Egg Drop」は理科の実験をベースにした、世界各国で子どもから大学生や大人まで楽しめるゲームで、衝撃吸収システムの研究にも応用されています。
さて、参加メンバーは英語の流暢な生徒ばかりではなく、自分の意見を言いたいけれど、英単語が浮かばずに悶々とする生徒もいます。しかし時間が経過するにつれ、身振り手振りで表現したり、英語の得意な生徒が通訳するなど、各自が懸命に自己表現する様子が印象的でした。


いよいよ、出来上がったプロテクターでの落下実験を高学年校舎の階段ステージで披露しました。各グループのmarketerがわがプロテクターの優位性を発表し、makerが作ったプロテクターを「GAKKO」スタッフの手で落下。6グループ中、2グループの生卵は割れずに無事でした。ハイタッチする大喜びの生徒、大きな拍手を送る生徒、見ている者が思わず身を乗り出すような楽しいゲームでした。参加した生徒からは、「英語が苦手だが、知っている英単語を駆使して会話を続けられた時は楽しかった」「英語が通じない時もあったが、もっと知識を増やして、自分の気持ちをきちんと伝えられるようになりたい」という声が挙がりました。
みんなが夢中になるアクティビティを繰り広げる「GAKKO」。主宰する古賀さんは、「学びの場においては人とのつながりが重要。本物の思いやりがあってこそ、よりよい教育ができる、というのが『GAKKO』プロジェクトのメッセージです。スタッフも参加メンバーも、みんな一所懸命やっていることが楽しいし、おもしろいんです」と話しています。

「GAKKO meets TAMAGAWA」を発案した五十嵐さんは次のように話しています。「自分が提案したプロジェクトの第1回目を母校でできたことは、ほんとうにうれしいです。来年以降も続くための、よいスタートが切れました。玉川学園は国際交流に理解があり、提案した時も玉川学園の先生方は即座に了承してくれたこともうれしかったですね。在校生に伝えたいのは、学内外のさまざまなプロジェクトを追いかけて、自分なりに吸収してほしいということ。僕はトロント大学で社会学を学んでいますが、『GAKKO』プロジェクトに関わったことをきっかけに、社会教育学を究めたいと考えています」

一国の大使となって、議論し交渉する「模擬国連」を開催

午後からは「模擬国連(Model United Nations:MUN)」が行われました。「国連」と名がつくように、参加者は各国の代表として与えられた議題について外交関係を考えながら討論を重ね、国連総会のシュミレーションを行う教育プログラムです。玉川学園では、以前から「模擬国連」を採用して討論力やコミュニケーション力を養ってきました。今年4月、ラウンドスクエア国際バカロレア(IB)クラスなどの長年の国際教育や国際交流が認められ、玉川学園高等部・中学部が文部科学省から「スーパーグローバルハイスクール(通称SGH)」の指定を受けました。これをきっかけに、毎週水曜日のお昼の時間を利用し、IBクラスの教員と一緒に「模擬国連」を日常的に行えるようになりました。
そもそも日本人は自分の意見を強く主張しない傾向ですが、普段の「日本人」の立場とは異なった視点で考え、担当する国の大使として利益になるように議論し、より多くの賛成を得るための調整力、交渉力も求められる「模擬国連」は、玉川会議のテーマにもふさわしいプログラムの一つとして開催されることになったのです。

今回はグループ形式で討論し、意見を取りまとめて発表し、多数決で決議を採択するというスタイルに変更しています。議題は「絶滅危惧種の管理と対処法」。1グループ4,5名で、保護状況や被害状況、これからの対処法についてそれぞれの意見をまとめていきます。第1回目の発表では、各グループから「政府管轄の動物園により絶滅危惧種を捕獲し、繁殖させる」「パンダを例に挙げ、遺伝子操作で繁殖しやすい個体をつくり、絶滅を防ぐ」「絶滅危惧種の密輸に対して厳しい罰則等を各国間で取り交わす」といった決議案が出されました。これに対して、矛盾点、疑問点など追求する質問がなされ、さらに修正案を出して2回目の発表。結果、「政府管轄の動物園により絶滅危惧種を捕獲し、繁殖させる」が、今回の模擬国連の決議として採択されました。
ラウンドスクエア委員会メンバーの清水祐希さんは、「模擬国連を繰り返すことで、入念なリサーチを行い、データなど具体的な数字を使って、分かりやすく説得力のあるアピールをすることが身についたように思います」と、学校生活に大きな影響を与えていると話しています。

3日間にわたって開催された、第2回「たまがわ会議(TAMAGAWA CONFERENCE)」。これらの体験から、参加者は新しい自分自身への殻を破ることができたでしょうか。3日間で実践できなくても、「やってみよう!」と思う心が芽生えたら、それが第一歩です。一歩一歩を積み重ねて、新たな自分を発見してください。
多くの方々のご参加とご協力に感謝し、第3回目の「たまがわ会議(TAMAGAWA CONFERENCE)」に期待したいと思います。

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