イモリは再生因子を赤血球で運んでいる!? ~血液の概念を変える新発見~
2018.05.24
本学大学院農学研究科の有泉高史教授が参画しているイモリネットワークNNNプロジェクトグループ(代表:筑波大学生命環境系 千葉親文教授)は、アカハライモリの遺伝子情報を網羅するデータベースを独自に開発し公開しました。イモリの高い再生能力に関わる遺伝子をこのデータベースから探索した結果、一つの遺伝子を発見し“Newtic1”と名付けました。丹念な調査により、Newtic1タンパク質を発現している細胞は一部の赤血球であることを突き止めました。さらに、Newtic1を発現する赤血球が特殊な細胞集合体を形成して全身を循環していることや、分泌因子の運び屋としてイモリの肢の再生にかかわることを初めて明らかにしました。これらの研究成果は"Scientific Reports-nature"(2018年5月10日付)で公開されました。
- 本研究は科学研究費補助金(221S0002;24240062)および筑波大学研究基盤支援プログラム(Bタイプ)によって実施されました。
論文タイトル
Novel erythrocyte clumps revealed by an orphan gene Newtic1 in circulating blood and regenerating limbs of the adult newt.
(成体イモリの循環血と再生中の肢において、オーファン遺伝子Newtic1 によって明らかにされた新奇な赤血球集合体)
掲載誌と掲載日:
Scientific Reports 8: 7455, 2018. DOI: 10.1038/s41598-018-25867-x
http://www.nature.com/articles/s41598-018-25867-x
2018年5月10日
著者:
Roman M. Casco-Robles, Akihiko Watanabe, Ko Eto, Kazuhito Takeshima, Shuichi Obata, Tsutomu Kinoshita, Takashi Ariizumi, Kei Nakatani, Tomoaki Nakada, Panagiotis A. Tsonis, Martin M. Casco-Robles, Keisuke Sakurai, Kensuke Yahata, Fumiaki Maruo, Fubito Toyama & Chikafumi Chiba
内容の詳細:
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