小原記念館について
玉川学園校内の小高い聖山の中腹に、創立者小原國芳が過した住居がありました。國芳は、ここで学生や教員と語り合い、数多くの著作を生み出しました。
同窓生にとって思い出深いこの家は、往時の様子を残しながら「小原記念館」として、2017年に改装されました。
1階は、蔵書が多くあった時のような内装を施し、来客を迎えます。壁面には大型のディスプレイを備え、玉川の風景を過去から現在まで写しだしています。また、同階には「学友会」事務部もあり、同窓生を迎える窓口となっています。
2階に上がる階段からは、國芳が生活していた頃と同様の居住スペースを展示室として開放し、創立当時の様子を含めた貴重な資料などを展示しています。
同階は、國芳の住いをそのまま残した、居間、書斎、和室などからなり、それぞれに思い出深い展示と、さらに最新のAR技術を活用した写真やエピソード、音楽や動画などが提供されています。
小原記念館の建築概要
- これまでの「小原記念館」と同様に創立者が生活していた雰囲気や空気感を出すように、可能な限り旧宅(西)の設えを残しています。
- 入り口付近の壁面は、多読家であった創立者が住んでいた頃の、書棚と書籍の背表紙をイメージさせる設えにしました。
- 建物の外観は、礼拝堂や咸宜園、松下村塾の集まるこの地域に見合うものとし、低層で耐震などの防災的な配慮も施しました。
- 玉川学園の雰囲気を愛した創立者は、居宅付近を散策することを好みました。そのため、小原記念館の庭園の改修は、当時の雰囲気を残すよう配慮しています。
1階平面図
2階平面図
小原記念館 二番の間(展示室)
二番の間(展示室)の正面では、小原國芳が大切にしていた玉川モットー、その裏面では全人教育の6つの価値である「真・善・美・聖・健・富」の書をご覧いただけます。
展示室では、3つのコーナーで展示を行っており、創立の頃の様子に思いを馳せられる空間となっています。さらに、タッチパネルディスプレイやAR等により数多くの写真や映像がご覧いただけるようになっており、よりリアルに当時の様子を感じることができます。また、当時と比較できるようにデジタルの記録では現在の様子もご覧いただけます。
小原記念館 オヤジの住い(展示室)
オヤジの住い(展示室)は、創立者小原國芳が生前生活していた雰囲気を残し、当時の生活を想像し、その存在や思いを感じる空間としています。
居間、書斎、和室には、当時飾っていた置物などが置かれています。
- オヤジ:小原國芳先生を生徒・学生・教職員たちは、親しみを込めて「オヤジ」と呼び、また、信夫人を「オバサマ」と呼んでいました。國芳は自ら話の中でも「オヤジはなあ…」と語っていました。
“「オヤジ」というアダナを最初に付けたのは僕と斎藤秋男君であると思う。斎藤君は最初ファターなどといったが、やっぱり日本式にオヤジの方がいいよ、ということで、オヤジにしてしまった。”諸星洪(1947)『玉川のおやじ』玉川大学出版部 より