ロボットクラブ9年生チーム、ロボットサッカー競技で全国優勝
ロボット部9年生4人の「TRCP」チームが、3月21日~23日に開催された「ロボカップジュニア日本大会2014埼玉大学サッカー独自リーグ」において、第1位を獲得しました。
春休みが始まったばかりの3月21日、北海道や沖縄から地区大会を勝ち抜いてきた小中高校生480名が埼玉大学に集まり、4部門11種目で競い合いました。
「TRCP」チームは「サッカー独自リーグ」にエントリーしました。関東ブロック大会までの「サッカーAライトウェイト」が改名された競技です(1月7日ニュース参照)。 直径と高さが22cm以内、重量1100g以内の自律型ロボット2台が1チームとしてサッカーを行う競技会です。ボールは直径8cm、赤外線を発光する仕組みの専用の物を使用します。
玉川チームのロボットは関東ブロック大会(12月)以後も改良を加えてきましたが、最大の進化は超音波センサーを搭載したことです。これにより壁までの距離を測り、そしてコンパスセンサーでゴールの方向を認識し、それを組み合わせることで、より正確なシュートが可能になりました。ロボット2台に搭載されたセンサーは次のようになりました。
ロボット1:赤外線センサー6個、超音波センサー3個、コンパスセンサー1個
ロボット2:赤外線センサー8個、超音波センサー2個、コンパスセンサー1個、光センサー1個
しかし、センサーを追加すれば、当然重量も増加することになります。すでに1100gの規定を数グラム下回る程度にぎりぎりで制作してあるロボットから、10g単位で減量するためには、基盤のデザインから見直す必要があるほどの大仕事となります。
21日は午後3時間かけてプログラム調整を行いました。会場の磁場環境に合わせて微調整し、ロボットが次第に練習と同じ動きを見せるようになりました。
22日、5チームずつ8リーグに分かれて総当り戦です。ところが第1試合で1台が試合開始時から作動せず、2台目だけでの戦いとなりました。それでも勝利しましたが、直前まで順調であった部分の接続不良という思いがけない故障でした。3勝1引き分けでリーグ第1位となりましたが、小学生チームとの戦いで2-2の引き分けという非常にきわどい試合もありました。
23日、ベスト16チームによる決勝トーナメントでした。上位チームの戦いとあって、対戦相手のロボットも審判もスピーディーな試合展開でした。TRCPチームは「ロボットが自己学習しているのでは?」と冗談を言うほど、試合を重ねるほど高得点を上げるようになり、1試合で24点も獲得した試合もありました。しかし決勝戦だけは別物でした。片方が1点取ると、他方が必ずすぐ追いつく、という文字通りのシーソーゲームのまま7-7で前半戦を終えました。ハーフタイムでは、プログラムの微調整、接続部分の確認、ネジの閉め直しなど考えうることを全て行いました。後半、相手チームがゴール前にロボット2台が並んでしまう反則もあって徐々に点差が開き始めたことから、TRCPチームの優勝となりました。
全国から40チームがこの競技に参加しました。対戦相手の出身地が、門司、和歌山、札幌といった具合に、会場内では多くのお国言葉が聞こえてきました。試合後は互いに名刺交換をしたり、ロボットについて情報交換をしたり、と大切な交流を積極的に行うこともできました。
2013年5月にロボカップ全国大会が玉川学園で開催されたのをきっかけに、サッカーロボットに取り組み始めた部員達でした。1年前は学内予選会では優勝したものの、全国大会では壁に衝突した衝撃で電源が切れる、センサーを十分に搭載する知識と技術がない、など経験不足から全国大会予選リーグを勝ち抜くことはできませんでした。その後の1年間研究を続け、全国第1位となるロボットを作り上げただけではなく、スケジュール管理、部屋の片付け、話し合う力、冷静なトラブル対応力など、多くの面で成長してきました。春からは、もう一つ上位のカテゴリーに向けたロボット製作に取り組みます。